稚内珪藻土は、優れた珪藻土壁材です。

珪藻土壁材には、調湿機能と消臭効果があります。しかし、珪藻土壁材といっても、珪藻土の種類や配合により、その性能は大きく異なるのです。

「大地の息吹」の原料に使用している「稚内珪藻土」は、非常に優れた素材です。

「大地の息吹」の原料に使用している珪藻土は、圧力や熱などの地質的な影響をうけ、一般珪藻土が多孔質に変質した「稚内珪藻土」です。鉱物名称としては珪質頁(けつ)岩と呼ばれています。
天然に存在するものでは、吸放湿性能に最も優れている素材の一つです。

珪藻土は、藻類のプランクトンが堆積してできた、珪質の化石です。微細な孔がたくさんあいていて、そこに空気中の水蒸気や臭い成分などがとらえられ、調湿などの効果が得られます。
稚内珪藻土は、一般珪藻土が変質しているため、この吸放湿や吸着性能にかかわる微細な孔が、一般の珪藻土に比べて多量にあるのです。

珪藻土壁材の性能は、珪藻土の含有率だけではありません。結合材により、その性能は大きく左右されます。

珪藻土は、それだけでは固まらないため、壁材として使用するために通常、結合材をまぜる必要があります。この結合材が珪藻土の機能性を阻害する場合もあり、珪藻土の含有率が高ければ性能がよいとは限らないのです。

結合材の種類には、樹脂、植物のり・でんぷん、セメント、石灰(消石灰)、石膏などがあります。
樹脂は付着性がよくもっとも安定性があるといえますが、吸放湿に関わる小さな孔を塞ぐため、一般的には量が多くなるほど吸放湿性能を阻害します。

あまり知られていませんが、自然素材の結合材を使用した珪藻土壁材の多くは、塗りやすさと耐久性に問題がありました。


また樹脂を使用せず、植物のり・でんぷんなどの天然素材のみを結合材として使用した場合は、一般的に表面強度が弱く、水で拭くと表面が溶けて崩れることがあります。経年劣化の点でも樹脂に劣り、数年経つと糊の劣化により崩れやすくなります。

透湿性アクリル結合材はこれまでの樹脂の欠点を克服した、理想的な結合材です。

当社は、『大地の息吹』の結合材として、「稚内珪藻土」の高い吸放湿・吸着性能を最大限に活用するため、透湿性の水性アクリル結合材を開発しました。この結合材は、一般的な樹脂系結合材とは異なり、調湿に関わる微細な孔を塞ぐことがありません。もちろん、ホルムアルデヒド等の有害物質を放出することもありません。(特許出願中)

吸放湿機能の性能を比較するため、珪藻土壁に水をかけて吸水力を比較し、吸湿の高さを示す試験をしている商品もあります。一般的に、吸放湿性能が高い材料は“高吸水”、低吸水材料は“低吸湿”ですので、このような比較がされることがあるのです。
しかし、本来は「吸水」と「吸湿」は別の現象です。水の表面張力が影響する水滴の大きさに対して、水蒸気の分子は小さいため、吸水しなくても吸湿することは可能です。

『大地の息吹』は、一般的に矛盾すると考えられていた高吸放湿性と低吸水を両立させました。吸放湿性能に寄与する水蒸気の通過を阻害しないサイズの孔を保持しながら吸水を最大限まで抑えることに成功しています。
さらに、孔の状態を最適化することにより、超撥水性※を得ることができました。この効果により汚水の侵入を防ぎ、汚れにくい高調湿塗り壁を実現しました。(特許出願中)

※超撥水性:フラクタル構造効果とよばれ、蓮の葉などにみられる現象

田川産業株式会社は、昭和38年に日本で初めて既調合漆喰を開発。以来、漆喰のトップブランドとして、各地の伝統建築物等でお使いいただいております。
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珪藻土とは

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)

珪藻土(けいそうど)は、主として珪藻と呼ばれる細胞壁に非晶質の二酸化ケイ素が沈着し硬い殻となる藻類の化石から成る堆積物である。

ケイソウが海や湖などで大量に増殖した後、死滅するとその死骸は水底に沈殿する。 そして、死骸の中の有機物の部分は徐々に分解されていき、最終的には、主に二酸化ケイ素からなるその殻の部分だけが残る。 このようにしてできたケイソウの化石からなる岩石がケイソウ土である。 ほとんどは白亜紀以降の地層から産出される。

使用する場合には殻を壊さないように粉状になるまで粉砕したものを用いる。ケイソウ土の粒径、すなわちケイソウの殻の大きさは大体100オmから1mmの間である。粒子の形態はもとになったケイソウの種類に応じて、球状のもの、円盤状のもの、紡錘状のものとさまざまである。色も白色、淡黄色、灰緑色と産地によってさまざまである。焼成すると赤く変色するものもある。殻にはケイソウが水や養分を外部から取り入れるための穴が多数あいているため、体積あたりの重さが非常に小さい。

ケイソウ土の最大の用途は濾過助剤である。 吸着能力が低いため、溶液中に溶解している成分はそのまま通し、不溶物だけを捕捉する性質がある。 濾過の際にフィルターに微細粉末が目詰まりしてしてしまうのを防ぐためにフィルターの手前において微細粉末を捕捉するのに用いられる。

また、水分や油分を多くの量吸収して保持することができる。このため乾燥土壌を改良する土壌改良剤や流出した油を捕集するのに使用される。アルフレッド・ノーベルはニトログリセリンをケイソウ土に吸収させることで安定性を高めたダイナマイトを発明したが、ノーベルはその後はるかに爆発力の強いブラスチングゼラチンスタイルのダイナマイトを開発したため、珪藻土を使ったダイナマイトは科学史のトピック的存在にとどまった。触媒やクロマトグラフィーの固定相の担体としても使用される。

その他、耐火性が高く、空気を多く含むので、軽く断熱性が優れているため建材や保温材として、電気を通さないので絶縁体として、また適度な硬さから研磨剤としても使用されている。昔からその高い保温性と程よい吸湿性を生かして壁土に使われていた。近年、自然素材への関心が高まるとともに、ケイソウ土を壁土への利用用途が見直され、脚光をあびている。七輪は粉砕しないケイソウ土層を切削整形し、焼結して制作する。

太平洋戦争中には、ビスケットやキャラメル等、菓子類の増量剤として使われたことがあった。